往事茫々 昔のことぞしのばるる・・・

古希ちかくなった暇なオジさんが、あれこれと折にふれて思い出したことや地元の歴史などを書き留めていきます

「山国」という地名について  ーふるさと山国 今昔あれこれ 1 ー

私の地区(兵庫県加東市山国)の名称「山国」の読み方ですが、「やまぐに」と濁らずに「やまくに」と読みます。
平成の頃から地区への転入者が増加し、令和5年度(2023)の時点では、いわゆる「本村」(明治時代以前から在住)の戸数が約160軒なのに対して、それ以外の組(古い呼称では隣保)の戸数は約220軒と明らかな逆転現象(?)が生じています。
中には、地区名を「やまぐに」だと思っている方がいらっしゃるかも知れません。

国道372号と県道85号加東神戸線の山国交差点(南向き)2024/04/19撮影


大正12年(1923)にまとめられた加東郡誌』加東郡教育会)には、地区名の読み方と地名の由来が述べられています。

山国
山国はヤマクニと訓ず(読む)。嬉野の西部山谷の間に発達せる大部落にして地勢一般に高く海抜最高129米(メートル)、最低70米の間にあり。実に本町部落中の最高地なりとす。これ古来山国の命名ありし所以(ゆえん)ならんか。(これが山国と名付けられた理由であろうか)
 (第2篇 町村/第2章 社町/第1節 大字名)  ※新字、新仮名遣いに改めています。

※ここで「本町部落」とあるのは、大正当時の「社町」であり、現在の加東市立社小学校の通学区のことです。昭和30年(1955)から平成18年(2006)まで存在した加東郡社町とは違います。

「地勢一般に高く」と、標高の高いことから「山国」と名付けられたと、やや苦し紛れの表現になっています。
ちなみに、引用文では「海抜最高129米(メートル)、最低70米の間」とありますが、最新の国土地理院の地図(電子国土web)によれば、地区東端の住宅地は約66メートル。公民館のあたりで約82メートル 東に向かうほど標高は高くなり、旧東条町との境、(兵庫教育大学入り口)附近では約136メートルにも達しています。

そのように、加古川河岸段丘が東に行くほど高くなっている様子が典型的に見られるのも、当地区の地形の特徴です。